良いインスタレーションを作るための3つのポイント

昨年の12/22(金)に MTRL KYOTOで行われた インスタ部のトークイベント「 インスタレーションのつくりかた by インスタ部」に行ってきました。


イベントは普段インスタレーションを開発している方が、事例を解説したりするトークがメインでしたが、いくつか良いインスタレーションを開発する上での重要なポイントがあったのでそれをまとめます。

※以下、登壇者の方がそう話していたわけではなく、僕がそう理解したという話です。

体験の密度を増やす

1-10森岡さんのセッションで、インスタレーションがリッチな体験を提供するためには、体験の密度(ボリューム)を増やすことが重要という話題がでました。

例えば、同じ映像を使った作品でも、小さなディスプレイで展示するより大きなディスプレイやプロジェクターで展示したほうが得られる体験はリッチになるということです。

それは単純に視界のなかで多くの領域を映像で埋めることで、感覚を支配することができるようになるためだと思います。

視覚だけでなく、聴覚(音やなっている方向)や嗅覚(匂い)、触覚(手触りや風)、味覚(味)等の五感で感じさせる表現をすることで、より豊かな体験を提供することができるのだと思います。

例えば、以下の作品

インタラクティブな映像作品としては、Flash時代にPCディスプレイ上で作られていたものとほとんど変わりませんが、壁一面に投影され体全体を使って操作することでとてもリッチな体験になっています。

また、聴覚と視覚を完全に支配する体験としてVRはとても魅力的ですが、体験できるのがヘッドセットをつけている一人に限られてしまうため、周囲の人の体験は低いものになってしまいます。

以下の作品はそのあたりまでよく考えられていて、直接の装着者以外にも相応の体験を提供できていると思います。

金で解決できることは金で解決する

また、何人かの方が、金で解決できることは金で解決したほうが良いという話をされていました。

  • 作りたい体験に直接関係の無いところは既存の物を利用することで、開発時間をコアな体験部分に集中させるということ
  • 既存の仕組みを利用することでバグの可能性を潰す

エンジニアとしては何でも自分で作りたくなってしまうものですが、30時間で開発できる機能を3万円で購入できるとしたら、後々のバグ対応のリスクなども考えると既製の製品を買ったほうが圧倒的にパフォーマンスが良さそうです。

また、OSCやDMX等の通信規格等も広く一般的に利用されているものを使うことで、チームでの開発コストや安定性を担保することにつながります。

以下は買うと幸せになれそうなものの例。

oFのaddonなども他の人が開発したものを利用することで開発時間を節約できますが、バグが潜んでいたり継続的に保守される保証が無いため、扱いには注意が必要だと言えます。

早めに検証する

インスタレーションに限らず、ちょっと凝ったことをするデジタル系の案件では早めに検証をすることが大事だと言われますが、1-10藤岡さんが紹介されていたZIGプロジェクトがとてもいい感じでした。

ZIGプロジェクトはiOSデバイスのセンサー(加速度、ジャイロ、GPS等)の値をWifi/Bluetooth経由で簡単に確認出来るというものです。

ハンドル型の入力デバイスとしてZIGを使うことで、レースゲームのプロトタイプを開発した例

Arduino等を使ったデバイスを使った場合、センサーの購入やプログラムの開発にどうしても半日〜数日かかってしまいます。

そこにZIG SimulatorとZIG Indicatorを使うだけでセンサーの値が見えるので、大幅な時間の短縮につながります。

重要なのはデバイスを使ってどんな体験を提供するかなので、デバイス開発部分をスキップすることで、体験部分のプロトタイピングに注力することが可能になります。

ただ現状ではiOSのみ対応ということなので、Android版が出ることを切に願います。

ZIGでシミュレートできるセンサー

  • 加速度
  • 重力加速度
  • ジャイロ
  • クォータニオン
  • コンパス
  • 気圧
  • GPS
  • タッチ座標
  • タッチ半径
  • タッチ圧力
  • BEACON
  • 近接センサ(フロントカメラ近くの近接センサ)
  • マイクレベル(マイクの音量)
  • リモコン(イヤフォンリモコン)

これらのことは普段インスタレーションを開発する上で無意識的にやっていることではありますが、今回人の言葉として聞くことで改めてその重要性を認識させられた感じでした。

メモ

以下はイベント中に紹介されたURL等のメモ

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